生きて帰れ。今も胸に息づいている、先輩の一言。

新米の消防士時代のこと。

私は、なかなかの問題児だった。

言うことを聞かない。何かとはみ出そうとする。上司も手を焼いたと思います。

若いころは、頭で考えるより先に体が動いてしまう。そういうタイプでした。

先輩方には、本当にご迷惑をおかけしました😅

■ 上司に言われた言葉

そんな私に、あるとき上司が言いました。

はっきりとした言葉そのものではありませんが、こんな趣旨だったと思います。

「消防士が死んだら、助けを待っている人を誰が助ける。要救助者にとって、消防士は最後の頼みなんだ。だから、無茶をするな。生きて帰れ。」

問題児だった自分には、肝に銘じておくべき言葉でした。

でも正直なところ、当時はその重みを半分も理解していなかったと思います。

■ 言葉の重みがわかった日

その言葉の意味が、本当の意味で腑(ふ)に落ちたのは、昇進試験に受かり、自分が部下を持つ立場になろうとしたときでした。

部下を持つということは、その命を預かるということ。

自分自身の身を守れない者が、他者を守ることはできない。

「ヒーローになろうとするな。無謀なことをするな。生きて帰れ。」

もし自分が部下を持ったら、きっと同じことを言うだろう。

そう思いました。

「無茶をするな」という短い言葉の中に、どれほど深い意味が込められていたのか。

時間が経って、ようやくわかったのです。

その後、私は消防士を退職することになりますが、あの上司の言葉は、今も自分の中に生きています。

消防学校時代の教官方をはじめ、たくさんの先輩方にお世話になりました。

厳しい言葉も、温かい言葉も、すべてが今の自分をつくっています。

そして不思議なことに、先輩方からもらった言葉は、時間が経つほど、その意味が深くなっていくのです。

■ 中学生のみなさんへ

みなさんにも、先生や親御さん、先輩から言われた言葉で、心に残っているものがありませんか。

今は「うるさいな」と思っている言葉でも構いません。

もしかすると、その言葉の本当の意味がわかるのは、何年も先かもしれません。

私自身、上司から言われた「生きて帰れ」という言葉の重みを理解するまでに、少し時間がかかりました。

だから、今すぐ理解できなくてもいい。

ただ、大切な人からもらった言葉は、心の片隅に残しておいてください。

いつか人生で迷ったとき。

困ったとき。

自分では答えが見つからないとき。

ふと、その言葉を思い出す瞬間が来るかもしれません。

人からもらった言葉は、時間を超えて、自分を支えてくれることがあります。

そして、いつか自分が誰かを支える立場になったときには、今度はあなたが、誰かの心に残る言葉を渡してあげてください。

それが、先輩から後輩へ、そして次の世代へと受け継がれていくものなのだと思います。

※最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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