プノンペンから、世界遺産アンコールワットのあるシェムリアップへ向かうことになった。
移動手段は、国内線の飛行機。
空港に着いた。
2000年ごろのプノンペン国際空港は、日本の地方空港くらいの規模だったと思う。どこかのどかな雰囲気だった。
そして、搭乗する飛行機を見て、先輩と顔を見合わせた。
プロペラ機だった。
しかも、なんとも年季の入ったたたずまい。
旧ソ連製のアントノフ An-24だったと思う。
「……大丈夫かな、これ😅」
そんな雰囲気の飛行機だった。
◇
■ プロペラが止まりかけた空で、CAさんの隣に座っていた。
機内に乗り込んだ。
先輩と2人で、こそこそ話す。
「CAさんの隣に座りたいよな」
「言ってみようか」
「いや、無理やろ」
「でも、言うだけ言ってみよう」
そして、言ってみた。
座らせてくれた。
「やったー!」
と、子どもみたいにはしゃいだ気がする笑。
今では絶対に無理でしょうね。
でも、あの頃のカンボジアはおおらかだった。
「言ってみるもんだな」
心からそう思った。
◇
■ えっ、今、止まらなかった?
離陸して、しばらく飛んでいた。
先輩と、
「プロペラ、止まりそうですね」
なんて冗談を言っていた。
その瞬間。
本当に止まりかけた。
「えっ?」
一瞬、機内の空気が変わったような気がした。
でも、周りの乗客は誰も気にしていない。
当たり前のような顔をしている。
「片方はまだ回ってるし、大丈夫やろ」
そう自分に言い聞かせた。
夢だったのかもしれない。
そう思っていた。
でも後から調べると、この機体と同型の飛行機が、2007年にカンボジアで墜落していたことがわかった。
……夢ではなかったようだ。
生きていてよかった😅
あのとき隣に座っていたCAさん、無事だったろうか、、。
◇
■ カンボジアが教えてくれたこと
CAさんの隣に座らせてくれる国。
プロペラが止まりかけても、周りは意外と平然としている国。
そんなおおらかさが、今となってはなんだか愛おしい。
でも、カンボジアで見たものは、それだけではありませんでした。
物売りの少女の笑顔。
ポル・ポト政権下の虐殺の歴史。
学校で学ぶ子どもたちの、生き生きとした眼。
そして、このプロペラ機の珍道中。
たった一度の旅でしたが、私は本当にたくさんのものを見せてもらいました。
そして何より、この旅がきっかけで、「教育とは何なのか」を真剣に考えるようになりました。
◇
■ 人との出会いが、人生を変える
そもそもの始まりは、大学院時代の韓国人の先輩からの、
「一緒にカンボジアで学校をつくらない?」
という一言でした。
正直、最初は「何を言っているんだ、この人は」と思いました笑。
でも、先輩は本気だった。
そして私は、その誘いに乗った。
その結果、カンボジアへ行き、現地の子どもたちと出会い、教育について考え、自分自身の価値観まで変わっていきました。
もし、あのとき先輩の誘いを断っていたら。
もし、「そんなの無理ですよ」と言って終わっていたら。
今の私は、少し違っていたかもしれません。
振り返ってみると、人生を変えるきっかけは、案外そんなところに転がっているのだと思います。
誰かとの出会い。
誰かからの一言。
そして、ほんの少しの勇気。
◇
■ 中学生のみなさんへ
「どうせ無理」
そう思ってしまうことは、誰にでもあります。
でも、やってみなければわからないこともあります。
言ってみたら、意外とOKかもしれない。
行ってみたら、思っていたのと全然違うかもしれない。
やってみたら、人生を変えるような人と出会うかもしれない。
だから、何か心に引っかかるものがあったら、ほんの少しだけでも一歩踏み出してみてください。
カンボジアへ行ったことで、私は教育について考えるようになりました。
そして、その経験が今の「塾長」という仕事につながっています。
人生は、最初から決められた道を歩いていくものではないのかもしれません。
人と出会い、経験し、迷い、挑戦する。
その一つひとつが、少しずつ自分の人生をつくっていく。
だから、目の前の小さな一歩を大切にしてほしい。
もしかすると、その一歩が、何十年後かのあなたをつくっているかもしれません。
そしていつか、
「あのとき、やってみてよかったな」
と思える日が来るかもしれません😊
カンボジアでの旅は、私にそんなことを教えてくれました。
※最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
もしこの話が誰かの心に届いたなら、「みとばな」の名前と一緒に紹介していただけると、とても励みになります。

