消防士の試験に合格した。嬉しかった。やっとスタートラインに立てると思った。
しかし、消防学校への入学直前に怪我をしてしまった。
治療に時間がかかり、入学を1年延期せざるを得なくなった。
突然、1年間という空白の時間が目の前に現れた。
◇
■ 最初はお気楽モードだった
父の単身赴任先に居座り、プータロー生活が始まった。
最初は、しばらくゆっくりできるな、くらいに思っていた。
好きなことをしたり、フラフラしたり、リハビリを兼ねてジムに通ったり。
気楽なものだった。
でも、そんな生活はすぐに飽きた。
やることがない。
目先の目標が見えない。
前に進んでいる実感がない。
気がつくと、焦りばかりが募っていた。
同級生たちが社会人として歩み始める中、自分だけが止まっている感覚。
「やることないプータローって、こんなにつらいのか」
と、初めて思い知った。
◇
■ メンタルが壊れそうだった
正直、メンタルが壊れそうだった。
もし怪我が治らなかったら……。
そんなことを何度も考えた。
ふと、自分が無価値に思えてしまう瞬間もあった。
何もしていない自分。何も生み出していない自分。
そんな気持ちが頭をよぎるたびに、苦しくなった。
だから、ジムに行くことだけは欠かさなかった。
治療に専念しつつも、体を動かすことでストレスを発散した。
止まると余計なことを考えてしまう。
だから、動き続けた。
それだけが、唯一の支えだったかもしれない。
◇
■ 1年遅れで、誰よりも頑張ろうと誓った
念願の消防学校に、1年遅れで入学した。
あの1年間の焦りと苦しさが、入学初日から自分の背中を押してくれた。
誰よりも頑張ろう。
そう心に誓った。
今でも、あの時の焦りの気持ちは忘れていない。
人よりも何倍も頑張ろうと思えたのは、あのプータロー時代があったからだと思っている。
あの1年間は、無駄じゃなかった。
◇
■ 学校に行けない君へ
今、学校に行けなくて辛い思いをしている人がいたら、少しだけ聞いてほしい。
焦る気持ちは、よくわかる。
でも、塾長と違って、あなたはまだまだ若い。
いつでもやり直せる。
本当にそう思っている。
その焦りを、再出発のための準備行動に変えてみてほしい。
読書でもいい。
何か新しいことに挑戦するのもいい。
自分が無価値に思えてしまう瞬間が来たとき、それは誰でも経験することだと知っておいてほしい。
塾長も、そうだった。
何もすることがない時間が続くと、余計なことを考えてしまうこともある。
そんな時は、天気の良い日に散歩に出かけてみよう。
ただ、それだけでいい。
外の空気を吸って、体を動かして、少しだけ前を向いてみる。
それだけでもいい。
もしかしたら、それが再出発の第一歩になるかもしれない。
※最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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