30年ほど前、アメリカの大学からベルギーの大学に短期留学していたころの話です。
クラスメイトにホルヘという、エルサルバドルからの留学生がいました。
とてもフレンドリーな男で、彼だけがなぜかいつも私のことを、
「Hey, OSAKA!」
と呼んでいました。
「俺は大阪が好きなんだ!」
と言ってました😆
さすがラテンのノリです。
◇
■ エルサルバドルって、どこ?
エルサルバドルは中央アメリカにある小さな国です。
面積は日本の四国とほぼ同じ。かつて内戦や治安の悪さで知られた国でした。
正直に言うと、当時の私は、その国がどこにあるのかも知りませんでした。
◇
■ 彼は、自分の国が大好きだった
ホルヘは、事あるごとに自分の国の話をしてくれました。
家族のこと、故郷の食べ物のこと、エルサルバドルがいかに素晴らしいか。
嫌というほど聞かされました笑。
当時の私は、
「どこにあるかもわからない国が、そんなに素晴らしいのか?」
と、正直半信半疑でした。
でも、彼の目は本気でした。
自分の国への誇りに満ちていました。
そして、それはホルヘだけではありませんでした。
アメリカ人の学生たちも、当時内戦中だったアフリカのソマリアから来たルームメイトも、アジアの仲間たちも。
多くの留学生が、自分の家族や故郷に誇りを持っていました。
◇
■ 「何者でもない」と思い知らされた日
そんな中で、私は他の留学生から、こんなことを聞かれました。
「君の家族はどんな人たちなの?」
「日本の政治についてどう思う?」
「日本経済の今後は?」
……答えられませんでした。
何も。
その瞬間、
「俺にはアイデンティティがない」
「俺っていったい何者なんだ?」
そう思いました。
日本から来たはずなのに、日本のことを何も知らない。
家族のことも、自分のルーツも、うまく言葉にできない。
それが、自分が日本人であることを、生まれて初めて真剣に考えるきっかけになりました。
※アイデンティティ=「自分は自分である」という、自分らしさや自分自身についての感覚。
◇
■ 離れてはじめて、見えてくるもの
実は私、高校生までずっと、学校が退屈で窮屈で、
「日本を脱出したい!」
と思っていました。
だから大学生のとき、海外に飛び出したのです。
ところが、海外に出て日本から少し離れてみると、不思議なことに、家族の温かさや日本のいいところが見えてきました。
特に、日本で大震災やテロ事件など大変な事件が起きていた時期だったということもあったでしょう。
遠くにいるからこそ、見えてくるものがある。
私自身、そうでした。
自分の家族や祖先を知ること。
自分が住んでいる地域を知ること。
そして、日本という国を知ること。
それは、自分自身のルーツを知ることにもつながります。
そして、そのことが自分自身を知り、自分への自信を持つことにもつながっていくのだと思います。
◇
■ まず、足元から
中学生のみなさんに、一つお願いがあります。
まずは、自分の家族や、自分が住んでいる地域に少し興味を持ってみませんか?
おじいちゃん、おばあちゃんに話を聞いてみる。
地元の歴史を調べてみる。
それからでいいんです。
そのことが、自分自身をより深く知るきっかけになるかもしれません。
そして、
「この時代に、この国に、この家族のもとに生まれてよかった」
と、自然に思えるようになれたら、塾長は嬉しいです。
「自分は何者なんだろう?」
この問いに、いつか自分なりの答えを見つけてほしい。
それが、アイデンティティというものなのかもしれません。
ところで、ホルヘ。
どこで何してんのかな😊
※最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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